デジタルマイクロスコープで計測するとき、はじめに必要な作業が「キャリブレーション」です。デジタルマイクロスコープの性能を最大限に発揮するためにも、正しい値を計測できるように調整する必要があるからです。
このページでは、デジタルマイクロスコープにおけるキャリブレーションについて、基礎知識や校正との違い、キャリブレーションをする際のポイントをまとめました。
そもそもキャリブレーションとは、英語で「目盛り」や「調整」を意味する言葉です。デジタルマイクロスコープは、使うときにPC接続する必要があります。このとき、デジタルマイクロスコープで見ている映像のサイズをPCに教え、サイズを合わせるのがキャリブレーションです。デジタルマイクロスコープとPCのサイズを合わせないと、実物の寸法を正確に計測できないからです。
キャリブレーションは、デジタルマイクロスコープについている付属のガラスケースを使い、映し出された目盛り2点間をマウスで指定して、その距離を入力する方法が一般的でしたが、現在では自動計測してくれるタイプも登場しています。
校正とは、計測器がどのような動作や機能、精度を持っているかを確認する作業のことです。標準器に誤差がないか、正しく機能するかを確かめます。
一方、キャリブレーションは正確性を確認して正しい数値に合わせる、上記で説明したPCとデジタルマイクロスコープの数字を調整する作業です。
「確認」と「調整」で言えば若干ニュアンスは異なりますが、キャリブレーションを日本語訳で校正と表記する場合があり、同じ意味で使われる傾向にあります。
ここからは、手作業のキャリブレーションで、なるべく誤差を生まず正確に寸法を計測するためのコツをお伝えしていきます。
キャリブレーションは、付属のガラススケールを使ってスケールの2点間の長さを入力しますが、このとき、なるべく画面の中心の目盛り2点間を使用するようにしましょう。高精度のマイクロスコープとは言え、レンズは中心から遠いほど歪みが生じます。連素の影響をなるべく受けないよう、中央の目盛りを測ってください。
使用するスケールの単位は、なるべく小さくしましょう。ミリ単位よりもミクロン単位のほうが精度が高まります。ミリ単位に設定しまうと、ミクロンの大きさでも小数点以下1桁で表示したときに0.1ミリで表示されてしまうからです。
ガラススケールの目盛りをクリックする際にも注意が必要です。目盛り線の内側をクリックするか、外側をクリックするかで、目盛りの印字の厚みが影響して正確なキャリブレーションができなくなってしまいます。
クリックするときは、ガラススケールの目盛り線の始点を外側にしたら、終点は内側を測るようにしてください。視点が内側なら終点は外側です。このようにキャリブレーションすると、印字の厚みの影響を受けずに誤差が少なくなります。
デジタルマイクロスコープの中には、カメラとレンズが連動しており、自動でキャリブレーションしてくれる機能を持つものがあります。手動でのキャリブレーションが不要なので、手間がかからない上に誤差も最小限です。デジタルマイクロスコープを選ぶなら、キャリブレーション機能のついた製品を選ぶのがおすすめです。
引用元:アクティブウェーブ公式HP https://www.activewave.co.jp/
引用元:ライカマイクロシステムズ公式HP https://www.leica-microsystems.com/jp/%E8%A3%BD%E5%93%81%E7%B4%B9%E4%BB%8B/%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97/p/leica-dvm6/
引用元:オリンパス公式HP https://www.olympus-ims.com/ja/microscope/dsx1000/tilt-model/
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