光学顕微鏡とデジタルマイクロスコープの違いが分かりにくいという方もいるでしょう。このページでは、それぞれの特徴や違いについて分かりやすく解説するので、光学顕微鏡やデジタルマイクロスコープを導入する際の参考にしてください。
デジタルマイクロスコープを簡単に言うと、デジタルカメラを備えた顕微鏡です。つまり接眼レンズを直接覗き観察する方法ではなく、観察する対象物をモニター上に映し出し、映像でモニタリングすることができます。複数人が同時に観察できるため、情報共有が容易となり、よりスピーディーに対象物の状態を把握しやすくなるでしょう。
デジタルマイクロスコープは、エレクロトニクスや自動車などの品質管理・開発などにも欠かすことができず、医療分野や電化製品など幅広い業界に活用されています。
光学顕微鏡とは、接眼レンズを直接肉眼で覗き観察をするものです。数千倍程度の倍率が備わっているケースがほとんどで、皮膚の表面や遺伝子の動きなどを観察することに向いています。実体顕微鏡や金属顕微鏡、生物顕微鏡なども光学顕微鏡です。
デジタルマイクロスコープの最大の強みは、情報共有のしやすさでしょう。光学顕微鏡であれば、直接肉眼で覗くため基本的に一人しか対象物を観察することができません。そのため情報を共有するために、ほかの人に同じレンズを覗いてもらうなどの手間がかかります。
しかし、デジタルマイクロスコープであればモニターに対象物を映し出すため、リアルタイムかつ複数人で情報共有することが可能です。モニターを見ながらディスカッションすることもでき、よりスピード感のある観察を実現できます。
光学顕微鏡は接眼レンズを常に覗き続ける必要があるため、作業時間が長くなれば目の疲労を感じることもあるでしょう。しかしデジタルマイクロスコープであればモニターに大きく映しだすため目の負担を軽減でき、疲労も少なくなります。
また観察場所も選びにくいという点もデジタルマイクロスコープのメリットです。自由にカメラを操作しながら、多角的に対象物を捉えることも可能です。つまり観察できる範囲が格段に広がるため、デジタルマイクロスコープは非常に扱いやすいアイテムといえるでしょう。
デジタルマイクロスコープと光学顕微鏡は、被写界深度の深さも異なります。被写界深度とは「焦点深度」とも呼ばれており、レンズで立体的な対象物を映した際にピントの合う幅のことです。つまりピンボケがない深さという意味と言えるでしょう。
デジタルマイクロスコープの方が、光学顕微鏡よりも被写界深度が非常に深いため、ピント合わせが簡単に行えます。また凹凸の大きな対象物の場合、なかなかピントを調整することが難しかったですが、ライブ画面上でもしっかりとピントの合った状態で観察可能です。倍率をアップすることで解像度が落ちやすい問題も、デジタルマイクロスコープであれば解像度を高めた映像を映し出せるでしょう。
デジタルマイクロスコープは大人数で観察したい、あらゆる方向から見たい、早く情報共有したいなどの要望がある方にオススメです。一方、光学顕微鏡は遺伝子の動きなどを直接見たいというケースに向いています。デジタルマイクロスコープや光学顕微鏡は最適な用途がそれぞれであるので、それぞれの用途にあったものを選ぶことが大切です。
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