このページでは、デジタルマイクロスコープを使って精度の高い画像を取得する上で重要になる「深度合成」について、仕組みや活用法などを詳しく解説しています。
深度合成とは、同じ対象をデジタルマイクロスコープで拡大観察しようとした際に、異なる場所にピントの合っている複数の画像を合成して、全体的にピントが合っている対象の拡大画像(全焦点画像)を作成することを指します。
例えば日常でデジタルカメラやスマホのカメラを使用する際でも、カメラに近すぎるものとカメラから離れているものを同時に撮影しようとすると、どちらか一方のピントがずれてしまうことがあります。
デジタルマイクロスコープでは対象物を高倍率で拡大しますが、肉眼ではほとんど差のないような凹凸であっても、高倍率に拡大すればするほど凹部と凸部の距離(奥行き)も大きくなってしまうことがポイントです。
そのため、対象物の上部にピントを合わせると、その下部がぼけてしまい、下部にピントを合わせると上部がぼけてしまうといった状態が生じます。
デジタルマイクロスコープで拡大した対象物の画像から、例えば対象の最も手前にピントが合っている画像と、中部の位置にピントが合っている画像と、最低部にピントが合っている画像をそれぞれ取得し、その3枚を合成することで、全体的にピントの合っている全焦点画像を作成することが可能です。
対象物の形状が複雑で高さ(奥行き)の変化が大きかったり、観察する倍率が高くなったりするほどに、全焦点画像を合成するために必要な元画像の枚数も多くなっていきます。
デジタルマイクロスコープや画像処理ソフトによっては、ピントの合う場所ごとに画像を取得して後から合成するだけでなく、フォーカスを調整しながらピントの合う位置を変えることで即時的に深度合成を行えるものもあります。
ただし、ライブ深度合成をスムーズに行うためには、相応の処理速度を有するコンピュータや、十分な性能を有する画像処理ソフトなどが必要です。
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